五月人形の由来や種類について
激動の歴史を駆け抜け、強く生きた武将の、
美意識の結実。
五月人形の由来
端午の節句は、古代中国で菖蒲によって健康と厄除けを願ったのがその起源です。
菖蒲(しょうぶ)が尚武(しょうぶ・武を尊ぶ)に通じることから日本の武家社会に拡がり、やがて町衆にも取り入れられるようになりました。そして、男の子が生まれるとお祝いとして、武の象徴として鎧兜を、出世を願って鯉のぼりを飾るようになりました。
武士の晴れ着である鎧姿は威厳と力強さにあふれています。
五月人形には男の子の生誕を祝うとともに、丈夫で健全な成長を願う両親の暖かい愛情がこめられています。
「京人形み彌け」では京都の伝統的な五月人形を安心の内容で御提案致します。
五月人形の種類
鎧三段飾り
全身揃った飾り方を鎧飾りといいます。
鎧三段飾りは、鎧飾りに軍扇陣笠と太鼓、ちまきと柏餅などの飾りが揃った豪華な飾り方です。
ほかにも、室内用のこいのぼりやかがり火をつける場合もあります。
場所に余裕があり豪華な飾りを好まれる方におすすめです。
鎧平飾り
鎧と屏風、弓太刀、提灯を飾る飾り方です。
鎧本体は、鎧が座っている唐櫃という箱の中に全て納まりますので、収納場所は見た目に対してそれほどは取りません。
鎧飾りとしては最も一般的な飾り方で、高さがありますので豪華な飾り方になります。
最近は、サイドボードの上に飾れるようなコンパクトな鎧飾りも出てきました。
鎧高床台飾り
鎧飾りの下に飾り台(多くは木製です)を付けた飾り方です。
高さがありますので、豪華に飾れます。床から直接飾る方におすすめです。
兜飾り
鎧の頭の部分の飾り方を兜飾りといいます。兜に屏風と弓太刀を付けた飾り方です。
大きさもコンパクトなものから大きなものまでいろいろあります。すっきりと飾りたい方におすすめです。
おぼこ大将・こども大将飾り
お人形に鎧を着せたものを大将飾りといいます。
子供の顔をしたものが多く、一概にはいえませんが、本式のものをおぼこ大将、略式のものを子供大将と呼ぶことが多いです。
鎧の質やお顔によってさまざまなランクのものがあります。
お顔が付いてるので、かわいらしくコンパクトに飾りたい方におすすめです。
ケース入り兜飾り
兜がケースに収まった兜飾りです。長所としては、飾る手間が掛からないことです。
短所としては、意外と収納場所がいることです。
というのも、ケースそのままを片付けるわけですから、ケース分の収納場所が最低必要になってきます。
同じ大きさでしたら、ケースがついていない飾り方の方が、畳めますから収納場所は少なくて済みます。
また、ガラスを使用していますから取り扱いに注意が必要です。
五月人形飾りのお道具類について
屏風(びょうぶ)
一般的に屏風の形は四曲屏風と二曲屏風に分かれます。四曲屏風は、よく見かける「コ」の字型になった形で、いかにも五月人形らしい屏風です。二曲屏風は「く」の字型になった屏風で、少し奥行きを取りますが、間口を取りません。
屏風の仕立ても、木製の枠屏風や布張り、黒塗りの屏風などがあります。木製の枠屏風は破れることがありませんし、重量も軽いのが特徴です。布張りの屏風は、軽く古典的であることが特徴です。黒塗りの屏風は重厚感があり落ち着いた印象です。どれが良いというのは、それぞれに特徴があるので一概には言えないかと思います。
昔は、五月人形の屏風といえば金屏風が一般的だったのですが、最近は色々な絵を付けたものが多く見られるようになりました。絵付けの方法もプリントをしたものや、刺繍、金彩、本職の絵描きが手描きで絵をいれたようなものまで多種多様です。
提灯(ちょうちん)
提灯は「陣屋提灯」と言いまして、節句飾りでは鎧飾りの場合に付属することが多いです。最近では提灯をつけずにシンプルに飾る鎧飾りも増えてきました。
多くの場合は、提灯に飾るお家のご家紋を入れさせていただきます。最近は家紋のシールを貼り付けることが多くなっているのですが、飾っているうちに剥がれてくることがありますので、できるだけ手描きで家紋をいれることをおすすめいたします。
三方揃い 太鼓・軍扇・陣笠
段飾りの場合は、前にかしわ餅やちまきを台に乗せた三方揃や太鼓、軍扇陣笠を飾ります。また、かがり火やちいさな鯉のぼりをつけることもあります。
出世馬・張子虎
トラは魔よけを願って飾ります。
多くは、張子の虎といって紙を何層にも張り合わせてトラの形に仕上げたものに手書きで絵をつけていきます。
馬は出世馬と言い、白い馬が一般的です。
これは、昔は白馬というのは貴重で、出世をした武士しか乗ることが出来なかったためです。このことから、お子さまの出世を願って飾るようになりました。